字を書くということ。

20年前のある日、右手で字が書けなくなった。

ペンを握ると右腕に異常な力がはいり、字が書けない。

もともと筆圧は高い方だったが、突然の異変だった。

 

医者にかかると、検査の結果「書痙」と診断された。

心療内科で安定剤が処方され、

自律訓練法を毎日続けるように言われた。

 

しかし、半月経っても一年経っても症状の改善が見られず

仕事にも多大な影響が出てきたため

(当時、私の職場にはPCがなかった)

思い切って左手で書くことにした。

右手の治療をしながら、左手で字を書く練習をする。

なかば泣きそうになったこともあったが

どうにか一年ぐらいで左手で字を普通に書けるようになった。

 

いつの頃だったか忘れたが

右手の治療をしながら

将来もし右手で字が書けるようになったら

高級万年筆を入手して、じっくり字を書きたいと思った。

 

長い月日が経った今年のある日、

驚いたことに

たどたどしくはあるが、右手で字が書けるようになってきた。

最初の文字をかけた時は、とても嬉しくてたまらなかった。

 

病気になるまでは当たり前と思っていたことが

当たり前じゃなくなった。

当たり前のことを当たり前にできることは

実はすごいことなんだと実感した。

 

そして、私たちの生活は数多くの当たり前に支えられている。

その当たり前にあぐらをかくのではなく

いつも感謝の気持ちをもっていたい。

 

先日、さっそく万年筆を入手し文字の練習をしている。

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